「照明器具としてのオイルランプ」に使われるオイル

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 照明器具としてのランプに重要な要素は「明るさ」ですから、当然、使われるオイルは「明るくなりやすいもの=火力の強いもの」が用いられます。  

火力の強さが求められるオイルには、比較的揮発性の高いものが必要となります。照明器具としてのランプに使われる代表的なオイルは「ホワイトガソリン」と「灯油(白灯油)」です。
 

ホワイトガソリン

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 燃料自体の揮発性が高く、引火点が低いため強い火力が得られます。ホワイトガソリンランタンの燃料としてだけでなく、調理用バーナーの燃料としても使われ、野外でのキャンプを楽しむ方々には必需品とも言えるオイルです。引火点は−40度なので常温ですぐに着火します。というよりも常温では常に着火する危険があるオイルのため、缶入りの容器で密閉して保管し、使用時も密閉性には気を配る必要があります。

 ホワイトガソリンは自動車用ガソリンに入っている各種の添加剤が入っていないタイプのガソリンで、プラスチックの原料に用いられる「ナフサ」と呼ばれる石油製品の別称です。ですから「ガソリン」といってもガソリンスタンドで販売されている例は殆ど無く、一般で入手するにはキャンプ用品店で販売されている缶入製品を購入することになります。
    

白灯油

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 家庭用に使われる灯油です。工業用の「茶灯油」と区別して家庭用を「白灯油」と呼んでいます。現在は家庭では暖房用に使われることが多いですが、「灯油」の名が示す通り、電気が普及する以前は灯りをとる油として主に使われていました。引火点が40度以上と比較的高いことから、家庭での取り扱いでも比較的安全に使用できます。  但し、灯油を用いる「石油ストーブ」をイメージしていただくと分かりやすいのですが、燃焼によって臭いやススの発生がありますので、照明器具として使う場合、屋内で使用するには不向きな面があります。  
白灯油はガソリンスタンドで売られている「灯油」です。キャンプ用品店などで「白灯油」として缶入りで販売されている製品の中身も石油ストーブに使う「灯油」も基本は同じものです。「白灯油」と「灯油」は違うものと捉えられがちですが、白灯油の「白」は家庭用という意味です。

 

「熱を加える道具としてのオイルランプ」に使われるオイル

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 熱を加える道具として理科の実験室にあったアルコールランプは誰しも思い浮かべることのできる道具の一つだと思います。  熱源としてのオイルランプでは、より完全燃焼に近い高温の炎を用いるため、高温で燃えるオイルとして主にアルコールが用いられます。
 

アルコール

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 アルコールランプには、燃料用アルコールとしてエタノール、メタノールの混合品が使われます。引火点が11度前後で揮発性が高く、炭素数が少ないという組成上の理由から、オレンジ色の炎を出して燃焼します。このオレンジの炎の内側に目に見えにくい青白い炎があり、この部分が1400℃〜1700℃という高温の炎となります。青白い炎は完全燃焼に近い燃え方をした場合に出る炎といわれており、燃焼時のススが少ないのも特徴です。 

 また、香りを楽しむためのランプオイルにもアルコールが使われます。香りのエキス「精油」にアルコール、水を加えたものをオイルとして用い、火をつけて30分程度燃焼させたあと火を消します。火をつけたままだと香りの成分も一緒に燃えて香らないため、火によって得た余熱を利用して香りを発散させるといった仕組みになっています。
 この場合、オイルに用いるアルコールは、熱を得るための「燃料」と、香りを飛ばすための「揮発性」の両方を得るために使われていることになります。
 アルコールは完全燃焼に近い燃え方をしますので、燃焼中は臭いが出ない特長がありますが、余熱によって揮発するアルコールは保健室や病院でなじみのある消毒薬的な「アルコール臭」があります。香りを楽しむ際に同時にアルコール臭が出るのは、このアルコールの揮発分が原因です。

「炎の灯りを楽しむオイルランプ」に使われるオイル

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 「炎の灯りを楽しむ」場合、屋内で使用することが前提となりますので、屋内使用に耐える安全性に加え、臭いやスス等が出にくいオイルが必要となります。これまで述べてきた照明用のランプや熱源用のランプに使われるオイルでは、「安全性」「臭いやススの発生」の両面をカバーできるオイルがありません。  
そこで、私たちが海外のランプオイルや各種オイルを調査・研究し、室内で、更には多数の人が出入りする飲食店での使用に耐えるランプオイルとして採用したオイルが「パラフィン系オイル」です。

パラフィン系オイル

 「パラフィン系オイル」という呼称そのものが聞き慣れないものだと思いますが、身近なもので表現しますと、「ローソクのロウ(パラフィンワックス)が液体になっているもの」と考えていただくのが最も近いイメージだと思います。
 燃えていくローソクをあまり意識して見る方は少ないかもしれませんが、ローソクのロウも火が灯っているときは熱によって液状(オイル)になっていきます。このロウ(=固体:ワックス)が通常の温度で液体(=オイル)になっているものが「パラフィン系オイル」となります。

 このオイルの特長は、一般に引火点が灯油(40℃以上)よりも高く、揮発性が低いため、他のオイルと比べると安全性が一段と高くなります。ひとつの例ですが、マッチの火をオイルにつけると火が消えるようなオイルです。
 また、パラフィン系オイルの中にも様々な種類がありますが、その中で、不純物を極力取り除いたベースオイルを使用すれば、燃焼時、又は燃焼前後の臭いも殆ど無く、ススも出にくいオイルとなります。

 「パラフィン系オイル」は、このサイトでご案内する「炎の灯りを楽しむためのオイルランプ」専用に開発したオイルとなりますので、その性質については、後に更に詳しくご説明したいと思います。

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担当:藤田(フジタ)

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