先にご案内しましたように、私たちは炎の灯りを楽しむオイルランプを、飲食店でお使いただくことを主な用途として「パラフィン系オイル」を開発・採用しました。
ムラエ商事株式会社のブランド「レインボーオイル」がその製品となります。このランプオイルの仕様としたポイントには、以下の3点があります。
1.安全に取り扱うことができる
2.臭いやススが出ない
3.安定供給ができる
まず、安全性については、様々なオイルのご説明でも述べたように、引火点(火を近づけるとオイルそのものが発火する温度の中で一番低い温度)が高いもの、つまり「引火しにくい」オイルが必要なため、引火点が灯油よりも大幅に高い約70℃のオイルを選定しました。
*現在は更に安全なオイル(引火点約100℃)を使用しています
また、引火点が高いオイルは同時に「揮発性が低い」特長を持ちますので、オイルの蒸発やオイル臭の問題も安全性と同時に解消しています。
安全性についてご注意いただきたいことは、私たちがここでオイルの成分としてご説明している「パラフィン系オイル」には様々な種類があり、「パラフィン系オイル」と表示されているから同じものという訳ではありません。たとえば現在、国内で「オイルランプ用のパラフィン系オイル」として販売されているオイルの中には、引火点が灯油並み(40℃前後)のものもあります。
オイル(燃料)名
引火点
備考
ホワイトガソリン
−40℃
常温で引火
灯油(白灯油)
40℃
高温時で引火
アルコール
11℃
常温で引火
パラフィン系オイル(レインボーオイル)
98℃
引火性が低い
ただし、パラフィン系オイルの中には、組成の違うオイルがブレンドされたものや、単一のもの、或いは不純物の含有量が多いもの、少ないものと様々なものがあります。一つの例ですが、国内で販売されているランプオイルの中には、組成の違うオイルがブレンドされたものを用い、ススの発生が灯油と同等以上に起こるものもあります。
また、臭いやススは、オイルランプの取り扱い方によっても発生するケースがあり、この点については後程詳しくご説明いたします。
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白灯油 パラフィン油
<ススの例> |
レインボーオイル パラフィンA パラフィンB
<ススの比較> |
「オイルショック」の言葉に象徴されるように、継続的に使用する「燃料」である石油製品は、どのような時代でも「安定供給」が重要となり、供給が途切れると大きな混乱を招く経済基盤的な製品です。
海外で発展してきたランプオイルの数々を調査し、様々なオイルを検討した上で、私たちが国内メーカーからの原料オイル供給を選んだ理由が、この「安定供給性」にあります。オイルショックを経た日本及び日本の石油会社は、現在では国と各メーカー独自の石油備蓄を通じて、安定供給を確保しています。
メーカーとして製品をお届けする以上、特に「灯り」というおもてなしの製品であれば尚のこと、私たちは供給を絶やさないことが使命の一つであると考えます。
この点についても注意が必要かと思いますが、現在、国内で販売されているランプオイルの中には、海外から輸入されたもの、海外の原料オイルを用いて生産されているものも少なくありません。